寄生虫名 Tetraonchus awakurai(テトラオンクス・アワクライ)
分類学 扁形動物門、単生綱、単後吸盤目
宿主名 ヤマメ(Oncorhynchus masou)、アマゴ(Oncorhynchus rhodurus)、ニジマス(Oncorhynchus mykiss
病名 テトラオンクス症
寄生部位
肉眼所見 鰓弁に、大きさ1 mm程度の虫体が見られる。大量寄生すると、鰓に粘液が多量に分泌される。
寄生虫学 体長は約1 mm。虫体の後端部にある固着盤で宿主に付着する。固着盤には、中央に2対の鉤と1本の支持棒、1対の扇形支持棒がある。また、前端近くに眼点を2対持つ(小川, 2006)。
病理学 アマゴとヤマメの場合、大量に寄生すると魚が死亡する場合がある。ニジマスでは、実害はない。
人体に対する影響 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 虫体の形態学的な観察を行う。同じくヤマメとアマゴに寄生する近縁種のTetraonchus oncorhynchiとは、T. oncorhynchiが体長約1.5 mmとやや大型で細長く、さらに体中央部をしめる精巣が大きいことで区別できる。
その他の情報 有効な対策は検討されていない。水の交換の悪い池では大量寄生する可能性があるため、注意が必要である。
参考文献 小川和夫 (2006): テトラオンクス症. 新魚病図鑑(畑井喜司雄・小川和夫監修), 緑書房, p.41.

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写真2.T. awakuraiの虫体。

写真1.アマゴの鰓に多数寄生したテトラオンクス.